Walking de Music

walking de music!
このブログは、ウォーキングをしながら聴いたジャズ・フュージョン・CDのレビューを中心としたブログです。個人的に想い付くままに綴っています。

Walking de Music・・・
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T-スクエア

12
          

NEW-S/T-スクェア 【2】

NEW-S

T-スクェアNEW-SのTrack06から細かく聴いてみます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

06:MIDNIGHT CIRCLE
ミディアムシャッフルの和泉宏隆さんの曲。ドラムの則竹裕之さんのバスドラとベースの須藤満さんのラインがここでも絶妙に決まっていて良いビート感が溢れています。

テーマはピアノで奏でられていきます。
このライトな感じはシャカタク的と言うか、少し古いトレンディー・ドラマの挿入曲の感じと言ったら良いでしょうか。

ファーストソロは須藤満さんのベース。
バックの難しいリズムの決めの間を縫うように速いパッセージで駆け抜けていきます。

つづいて本田雅人さんのソロなんですが、この頭の部分がかなり入り難いリズムになっています。T-スクェアの曲には、このような一瞬迷ってしまいそうなリズム的なトリックがけっこうたくさんあります。

本田雅人さんのソロはオーソドックスなフレーズ展開で、曲の持っているトレンディな雰囲気をムーディに奏でていきます。

CD Time=3:44からの展開部分は、今までの感じとは少し違って単調になりやす曲調にいい変化をつけます。ここでは、綺麗なコード進行とそれに乗る本田雅人さんのサックスのメロディが聴き所ではありますが、そのバックでの則竹裕之さんのトップシンバルワークが強烈な細かさと正確さで叩きだされます。ただでさえ細かいトップシンバルワークなのに、さらにCD Time=4:02からはタムが切れ目無く絡んでくるというテクニックを聴かせてくれます。

テーマのパターンに戻ってからは、和泉宏隆さんのソロです。
今までのソロの中では、テーマの持っているスタッカートなメロディを上手く使用しているので、比較的歯切れの良いフレーズを展開しています。そして、則竹裕之さんが絡んできて、クラシカルなコード奏法に入ったところでフェードアウトとなります。


07:THE SUMMER OF '68
鳥の声など幻想的なSEをバックに、シンセ・ストリングとともに安藤まさひろさんがナイロン弦のアコギでメロディを奏でていきます。

このSEはアマゾンか何か森の深いところでの鳥と言うか獣の叫びのようなものなんですが、ナイロン弦のアコギとのイメージがぴったりくるのでしょうか。パット・メセニーさんのファーマーズ・トラストでも同じようなSEでした。

安藤まさひろさんが緩やかなリズムに乗って優しいテーマを奏でていきます。
サビに入ると更に幻想的なムードは増していきます。この部分はちょっとパット・メセニー・グループを想い起こさせる感じです。創ったのは和泉宏隆さん。そう言えばいつかは忘れましたがパット・メセニー・グループのライヴを観に行った時に、前列の方で和泉宏隆さんを見かけたことがありました。


08:NAB THAT CHAP!!
やや長めのラテンパーカッションのパフォーマンスからスタートして、ベースとドラムのユニゾンのフレーズへ。ベースがポリリズム的なフレーズなのでとにかく拍頭が取り難いです。このような難しいリックでは2人の息の合ったところを聴かせてくれます。

テーマは安藤まさひろさんの歪みギターと本田雅人さんのサックスが奏でていきます。
中サビに入ると安藤まさひろさんのギターのみになりますが、この音は良く歪んでいるのですが、ハードロックとかのそれとは違って聴き易く、何と言うか、品のある音と言ったら良いでしょうか。とてもいい音だと想います。

サビは派手派手で元気の出るT-スクェア節でまとめられていきます。イントロからテーマの部分とのイメージギャップがこれまたT-スクェアらしいですね。

このように発展を次第にさせていくのは曲を創っていく中でも比較的簡単なアレンジなんですが、実は展開したところから元に戻るのが難しいんです。極端に変化をさせてしまうと、最初のイメージに戻るアレンジがやや強引になることがあるのですが、この曲の場合は派手派手で盛り上がった決めを介して最初のベースパターンへ戻ります。非常に練られた曲だと想います。

ファーストソロは則竹裕之さん。
戻った拍の取り難いベースラインをバックに短いのですが見事にソロを決めます。

つづいては安藤まさひろさんと本田雅人さんの掛け合いになります。
最初の8小節はお互いにバックの決めの間をソロで駆け抜けていきます。リズムがインしてからCD Time=3:15の安藤まさひろさんのアーミングとライトハンドの連続技は流石の上手さがありますね。

後半はサビのパターンで本田雅人さんのソロ。コード進行がいいのでフレーズも走っています。ライヴだったら長尺で吹きまくると言うような部分ですが、ここでは短めにまとめて、最後にあのベースラインでエンディングになります。

非常にいいアレンジで良くまとまっている楽曲に仕上がっていると想います。


09:ロマンティック・シティ
アップテンポのボサノバのリズムに印象的なメロディでスタートします。このスタート部分はサビ。サビスタートと言うアレンジの方法で構成されていますが、短いセンテンスが集合した部分ですので、イントロと言えばそうともとれる絶妙なメロディで出来ています。

テーマは安藤まさひろさんのナイロン弦のアコギが奏でていきます。
ドラムのスネアワークと細かいベースラインがいい流れを創っていますね。

ファーストソロは本田雅人さんのソプラノサックス。テーマのコード進行でのソロになります。
このコードは基本的にマイナーコードでスケールも一発で行こうと想えば行けないこともないのですが、テーマのメロディの音をどうやってチョイスするかとか、CD Time=0:32の音が下がっていくクリシェの部分とか、CD Time=0:43の1小節入るメジャーの部分をどのように奏でて行くかが聴き所になります。

本田雅人さんはCD Time=1:52のクリシェの部分を音数を減らして、最後の部分にフレーズを重ねます。CD Time=2:03のメジャーの部分もいいフレーズで吹き抜けています。CD Time=2:10ではテーマのメロディをフェイクして奏で2コーラスめにつないでいます。

CD Time=2:19の2回目のクリシェの部分は絶妙なフレーズで下がっていく音をポイントにフレーズを重ねてその感じを上手く出しています。CD Time=2:30の2回目のメジャーの部分では、前半をメジャーフレーズで決めて、そのままつながったマイナーフレーズに以降してつぎのコードに解決していきます。

このソロは肝!で個人的にはベストプレイだと想います。

つづけて同じパターンで和泉宏隆さんのピアノソロです。
クリシェの部分は1回目が流れるようなラインで逆にあまりそれを感じさせないフレーズで弾き抜けます。そして2回目は高い音で引っ掛けるような節回しをして、今度はそれを意識させるような展開をしています。

メジャーになる部分は、1回目はけっこうストレートにフレーズを奏で、2回目はアクセントをつけたフレーズで綺麗にまとめて、瞬間、ひと呼吸おいて次ぎのフレーズにつないでいます。

この和泉宏隆さんのソロも見事な構成と流れでやはりベストプレイで肝!です。

そして続くは安藤まさひろさんのソロ・・・と行くかと想うとテーマに戻ります。安藤まさひろさんのソロはこの曲では無いので、物凄く残念です。

この曲も非常にコンパクトにまとまっていて、なお且つ、ジャズ的なソロまわしがあって非常にいい曲だと想います。セッション向きの楽曲とも言えますね。


10:WHEN I THINK OF YOU
本田雅人さんのアルトサックスが叫ぶ、渾身のバラードです。テーマももちろん綺麗なメロディなんですが、やはりここは本田雅人さんのソロが聴き所。

テーマのコード進行で、静かなフレーズを中心にサックスのタンギングと息使いでブルージーに奏でていきます。

そしてサビを挟んでピアノとのデュオになる部分では、静かながら、これまた絶妙なアーティキュレーションで朗々と歌い上げていきます。それにしてもニュアンスの付けかたが見事です。音がクネっていると言うか、波があると言うか。それが抑揚と言うことで、しっかりとした基本が出来ているからこそのアーティキュレーションと言えますね。

そのまま、静かにこの曲は幕を閉じていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『非常にまとまりがあってバランスがいい』

やはり細かく聴いて見ても同じ印象で、とにかく聴きやすい作品に仕上がっています。
全体を見ると、フューチャーリング本田雅人さんと言う感じもするのですが、これはジャケットを見ても同じで、本田雅人さんが他のメンバーより大きく写っています。

T-スクェアの屋台骨を支えてきた伊東たけしさんが脱退して、ある意味ピンチに登場した本田雅人さん。当時は、そのルックスからジャニーズ系などとも言われていたことを思い出しました。

だから、それだけでは無いと言う実力の部分をやはり全面にプッシュする必要があったと言うことでしょうか。安藤まさひろさんも少し引いていて、ある意味プロデュース的な役割をしているかのようにも想いました。

また、リズム隊の2人もタイトなリズムに徹してして、出すぎず、引きすぎずと言う、いい塩梅のところでのプレイが光っています。

このあたりの部分と、本田雅人さんのジャズ的な部分と、更に楽曲の良さが重なって、少しアダルトで聴きやすい良質な作品に仕上がったのではないかと想うのです。

(CD TOTALTIME:55:32/ Walking消費カロリー:223.24kcal)

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NEW-SNEW-S
T-SQUARE

曲名リスト
1. メガリス
2. ガーティの夢
3. 真夏のためいき
4. リトル・リーグ・スター
5. ユア・レストレス・アイズ
6. ミッドナイト・サークル
7. ザ・サマー・オブ・’68
8. ナブ・ザット・チャップ
9. ロマンティック・シティ
10. ホエン・アイ・シンク・オブ・ユー

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あとがき
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NEW-S/T-スクェア 【1】

NEW-S

梅雨なんですが、あまり雨も降らないのでwalkingは順調・・・ですがアップは久しぶりになります。と言うことで昨日はT-スクェアNEW-Sでwalkingをしました・・・。

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この作品は1991年のリリース。サックスの伊東たけしさんの脱退後、本田雅人さんが加入しての最初の作品になります。
当時は、ポップテイストからかなりジャズ的な側面が押し出されたような印象でしたが、とにかく、1曲目のMEGALITHのインパクトがかなり強くありました。
個人的には丁度、T-スクェアのコピーバンドに加入したか、しないかくらいの時期でその意味でもT-スクェアをしっかりと聴いた最初の作品とも言えます。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

walkingを終えて聴き終えたときの印象はひと言で言うと
『非常にまとまりがあってバランスがいい』

通して聴いた時に、非常にすんなりとスムーズに聴くことができました。

まずは全体的なサウンドが解りやすく音が良いと言うこと。
突飛な音や攻撃的な音はほとんど無くて、全体的な統一感のあるサウンドに仕上がっています。また、音のバランスや定位も綺麗にまとまっているのでヘッドフォンでもかなりの広がりを聴かせてくれます。

そして、楽曲のよさ。
全体的には、もう少し激しい感じのイメージがあったのですが、どちらかと言うと落ち着いていて、1曲目から最後の10曲目までの流れと構成がスムーズで飽きがきません。かといってBGM的かと言うとそうではなくて、1曲ごとのクオリティが高く、バリエーションに富んでいて適度なテンションも感じることができます。

コピーバンドをしていた関係で、通して聴くことはほとんどなく、聴く曲はそれこそ隅々まで聴きましたが、聴かない曲は全く聴かないと言うのが当時。ですから、この全体の完成度には少々驚いたと言うか、こんなに良い作品だったっけ?と言うのが正直な部分です。

さらに、本田雅人さんが当時新加入と言うことで、全面的なフューチャーと言う感じがあるのですが、EWIが意外に少なかったです。もっとたくさん吹いていたような感覚があったのですが。これは『サックス本田雅人』を押していた私としては嬉しい気付きでした。
その分、ギターの安藤まさひろさんのソロ・プレイやリリカルな和泉宏隆さんのピアノ・ソロなどが少ないのがマイナスと言えばマイナスかなと。

細かく聴いていくと、また違った感覚になるかも知れませんので、1曲つづ細かく聴いていきます・・・。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:MEGALITH
1小節目のいきなりのホーンセクションから、シンセベースの16分音符のライン。シンセベースが曲中は終止流れていて、それをコアに楽器を重ねていくと言うような楽曲の構成。そのために打ち込み色が強いのですが、とにかく曲がカッコ良い!
実はこの曲は、コピーバンドでも一番演奏したかった曲。しかし、私には曲決めの決定権がなかったのでいつも却下されていた曲なんです。その意味では、T-スクェアの楽曲の中での1、2番を争うくらい好きな曲です。

テーマは安藤まさひろさんのギターと本田雅人さんのサックスがユニゾンで奏でていきます。

ファーストソロはドラムの則竹裕之さん。
シンセベースの16ビートに乗って、スネアとタムまわしを中心に奏でていきます。
そのラインを奪い取るように本田雅人さんのソロがスタートします。
老舗バンド、新加入一発目のソロ!と言うことで聴く方も当時気合いが入ったと想うのですが、もともとが実力者ですので、全く問題なかったと言うソロを展開します。
CD Time=2:27からのポリリズム的なフレーズは音の選択が見事で、その後でドラムの則竹裕之さんが絡んでくるところは、打ち込み色が濃いアレンジなのに、とてもバンド的でヒューマンな感じがします。

再びサビに戻り、CD Time=2:38からはユニゾンに入ります。
このユニゾンの部分ではシンセベースの16分音符での打ち込みがありません。その代わりにベースの須藤満さんが、おしん的な16分音符を刻みます。そのために、この部分が曲にアクセントをつけて、単調な雰囲気から救いつつも今までの流れを継続させていると言う見事なアレンジになっています。
そして、ユニゾンの最後の部分が拍の取り難いシンコペーションになっていて、そのリズムを持った全体のシンコペーション・パターンに入ります。
この部分で絡んでくる本田雅人さんのソロ・ラインと拍頭を混乱させるような則竹裕之さんのおかずがやはり効いています。

エンディングはサビのパターンで、最初はフレーズ間に短いソロを絡めていた本田雅人さんが、CD Time=4:00からさらに強烈なソロを展開します。
スタート部分の超高音でのベンドを使用したフレーズは凄いですね。さらにCD Time=4:17の絶妙なアーティキュレーションのフレーズからCD Time=4:21の高音でのロング・トーン。つづけてCD Time=4:23までのフレーズまわしは肝!です。

再びユニゾンに入るのですが、今度はドラムの則竹裕之さんがタムで暴れていますので、中間の部分にはない華やかさを醸し出しています。

そしてエンディング・・・その後も5秒くらい飛行機のエンジン音が遠のいていくようなエフェクトがなり続け、次第にフェードアウトされていきます。

やはりいい曲だと想います。
曲としては、メロディがそれほど良いと想わないので、いい曲と言うのは少し違う感じもするのですが・・・。単にメロディやコードと言うことでは無くて、アレンジや演奏も含めた全体の創りが見事だと想うのです。
私が個人的にいい曲と想うかどうかには、『メロディやコードが単純に良い曲』と『この演奏、録音だから良い曲』と『単に想い入れがあるので良い曲』と言う3つのパターンがあります。この曲はまさにその真ん中の良い曲と言えます。


02:ガーティーの夢
安藤まさひろさんのアコギが効いているイントロに本田雅人さんの鳥のさえずりを想い起こさせるようなソプラノサックスの綺麗な音が絡みます。
軽いボサノバのリズムに乗ってリリカルにテーマを本田雅人さんが奏でていきます。テーマの最初のメロディの4音目の音が素早くスラーされているのですが、このニュアンスが絶妙ですね。

ファーストソロは和泉宏隆さんのピアノ。
クラシカルにリリカルに奏でられていきます。CD Time=2:17からのフレーズは同系の短いフレーズが段々と低い音へ下がっていくフレーズ。その後やや速めのパッセージでソロを閉めます。特に激しいアクセントやスタッカートなフーレズは無くて、あくまでも流れる様にクラシカルに展開していきます。

CD Time=3:12からイントロのパターンに絡んで本田雅人さんのソロなんですが、テーマの終りの部分からロングトーンを続けてソロにそのまま入ります。そして緩やかな波のようなアーティキュレーションでつないでいきます。この部分のソプラノサックスの音がとても綺麗です。
テンポが戻ってソロはつづきますが、ここではゆったりとしたフレーズを前半は奏でて、後半になってくると速いパッセージやフラジオなどが段々と出てきて盛り上がってくるところで残念ながらフェードアウト。

1曲目がアルトサックスで聴かせて、そして今度はソプラノサックスと当時新加入の本田雅人さんの力を十分に聴かせてくれる構成になっています。多分、伊東たけしさんの脱退で心配をしていたファンにも納得の構成だったのではないかと想います。


03:真夏のため息
重めのビートの中にも少し跳ねたリズムが夏らしさとため息が出るような憂鬱な感じを出しています。
夏らしいライトな感じは、ドラムの則竹裕之さんの軽いスネアとハイハットの8ビート。そしてため息の部分は、5弦ベースの一番低い弦をD=「レ」にチューニングした須藤満さんのラインが醸し出しています。

テーマは安藤まさひろさんのアコギが奏でていきます。
先ほどはナイロン弦でのプレイでしたが今度はスチール弦でのプレイ。ギターの音色の元をしっかりとセンターに定位させつつ、スチール弦のでのプレイによって生まれる金属的なフィンガーノイズをわずかに右側に響かせると言うエフェクト処理をしていて音に広がりをもたらしています。

CD Time=0:56はサビ前のブレイク部分。則竹裕之さんのバスドラがいい響きのゲートリバーヴに乗っていてアクセントになっています。

つづくサビは本田雅人さんのサックスと安藤まさひろさんのギターでのユニゾンでメロディが奏でられていきます。CD Time=1:10のブラスの入り方が絶妙なタイミングですね。

ベースとのユニゾンフレーズを挟んで安藤まさひろさんのソロです。
CD Time=1:58からのフレーズはジャズ的なライン。そのままジャージーに奏で、CD Time=2:12のスケールチェンジへ。実はソロ前のユニゾンの部分を演奏することで、このソロはD♯m7で前半は進みます。このコードは曲のキーの半音上がりと言うことになります。ですから、この部分が際立つと言うことになるわけです。そしてスケールチェンジは半音下がると言う展開。安藤まさひろさんはごく自然にフレーズをつないでいます。

そして本田雅人さんのソロ。
こちらもジャージーに決めます。同じくスケールチェンジはスムーズで余裕のあるまとまったソロを展開しています。

エンディングではイントロのパターンで再び本田雅人さんのソロです。
こちらは先ほどの曲中でのソロとは違ってだいぶ熱いソロを回していきます。そして、タンギングでの短いフレーズの連続に則竹裕之さんが絡んでいく部分はグルーヴが加速していきます。しかし残念ながら程なくしてフェードアウトしていってしまうのです・・・。


04:LITTLE LEAGUE STAR
T-スクェアらしさのある元気の出るロックテイストの8ビートの曲です。ここでテーマを奏でるのが本田雅人さんのEWI。
今やEWIとのイメージも合っているのですが、当時は本田雅人さんはEWIはどのくらい使っていたのでしょうか。どうしても、EWI=伊東たけしさんと言うイメージが強いので、さぞ吹きにくかったと想うのですが。ちなみに個人的にはEWI=マイケル・ブレッカーさんなんです・・・。

この曲は安藤まさひろさんか和泉宏隆さんの曲だと想っていたのですが、今回ライナーノーツを見たら本田雅人さんの作曲なんですね。CD Time=1:32からの中サビの部分のコード進行が結構いい感じでT-スクェアらしさが出ています。

ソロは激しく歪んだ音での安藤まさひろさんと本田雅人さんのEWIの掛け合いになっています。
安藤まさひろさんがアーミングとライトハンド奏法を多用したロック的なフレーズで先行します。それに対して本田雅人さんも似た3連のフレーズを出して応戦します。さらに、お互いに速いパッセージの応酬になって、短いながらも聴き応えのある掛け合いを展開します。

テーマを挟んで須藤満さんのソロ。
スラップではなくてピチカートで劇的でコード進行に乗って速いパッセージを奏でます。


05:YOUR RESTLESS EYES
ミディアム・ビートのバラードです。ここでも須藤満さんが低い音のベースラインで陰鬱なコードの雰囲気を出しています。

テーマは本田雅人さんのソプラノサックス。
サビ前からサビに入ると、曲は一転して親しみ易く解り易いメロディになります。少し情緒的で、悪く言えば歌謡曲の香りがするメロディは安藤まさひろさんのある意味得意技。少々陳腐な香りもするメロディなんですが妙に印象に残るラインに仕上がっています。

ファーストソロは和泉宏隆さん。
ここでもフレーズはいたってレガート。流れる様に綺麗なメロディを奏でていきます。かなりクラシカルな展開が曲調にも合っています。

エンディングは本田雅人さんのソプラノサックスソロ。
全体的に速いパッセージを控えて音数を少なくして、朗々と歌い上げていくと言う感じのフレーズ展開です。ソプラノサックスのロングトーンが非常に綺麗です。そのまま曲はフェードアウトしていきます。

実はこの曲でもうひとつ凄いと想ったのが、須藤満さんのベースラインと則竹裕之さんのバスドラ。少しルーズな感じのラインなんですが、これが乱れなくピッタリとあっています。そのために凄いビート感が出ていますね。しかも、単に譜面上あっていると言うことだけではない、何かもっと奥の深い、凄みを感じてしまいました。

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と言うことで続きのトラックは次回に・・・。

(CD TOTALTIME:55:32/ Walking消費カロリー:223.24kcal)

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7. ザ・サマー・オブ・’68
8. ナブ・ザット・チャップ
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ウェルカム・トゥ・ザ・ローズ・ガーデン/T-スクェア

WELCOME TO THE ROSE GARDEN

朝晩の冷え込みはそれなりに冬の姿になってきましたが、日中はそれでもまだ暖かい。今日は特にwalking日和でした。と言うことで、以前にwalking musicとして聴いた作品の再試聴です。T-スクェアウェルカム・トゥ・ザ・ローズ・ガーデンです・・・。


約一年前に聴いてwalkingをしました。その時のレビューは当り障りのない感想的なものでしたが、久しぶりに聴いて紐解いてみました。この作品はT-スクェアの1995年、20作目のアルバムです。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

01:トライアンフ
1拍休んで2拍目から、ドラムの則竹裕之さんのリフからスタートするT-スクェアらしい明るい8ビートが弾けます。
テーマは本田雅人さんのEWI。イントロは8ビートで2拍4拍でスネアが入って軽快なんですが、テーマの部分はハーフスピードになっています。サビの部分で再び2拍4拍でスネアが入ってきてビートが加速していきます。いろいろなアレンジの仕方があると想いますが、サビを特に印象付けるには良い方法だと想います。

またこのサビの部分はT-スクェアの代表的なサウンドでもあるEWIと歪んだギターのユニゾン。音色が似ている為か、一体化して聴こえるのが特徴的であり魅力ですね。
特にこの曲では、音色だけではなくてアーティキュレーションも合わせる様にしている感じで、かなり緻密にアレンジと打ち合わせをしている様子が伺えます。

ファーストソロは本田雅人さん。
前半は8ビートにノッてスタッカートで歯切れの良いフレーズを奏でます。サビのパターンに入ると、怒涛の速吹きの連続で、特にCD Time=2:28からエンディングまでは『息継ぎしている?』って聞きたくなる程フレーズが連続しています。

テーマに戻りサビへ。そしてそのままイントロのパターンへ突入して安藤まさひろさんのソロです。
ロック的なフレーズを基調にして流れるような下降フレーズをポイントにソロを奏でていきます。この歪んだ音はかなり良い音で、決して耳ざわりではなく丁度良い歪みなんですが、しっかりと歪んでいる音。特に低音部分が必要以上にブーストされていなくてギター全体のバランスが非常に良いと想います。

私は以前T-スクェアのコピーバンドをしていました。その時代に何回も演奏した曲です。聴き飽きているくらい聴いたのですが実は今回は少し違いました。
個人的なことなんですが、少し嫌なことがありまして精神的に少し落ち込んでいました。そんな時に今日この曲を聴いたら不思議と元気が出るんですね。前向きな意欲を与えてくれる感じがしました。

02:クラウン&ローゼズ
イントロのブラスセクションのフレーズがちょっとしたリフなんですが、この後のリズムトラップへの伏線的な意味合いがあって効果的です。
このブラスの部分は拍が取り難いようなフレーズになっていて、さらに続く8分音符が拍頭に聴こえると、それはもうトラップにハマっています!私はまんまんとハマリました。実際は4拍目から8分喰ってスタートしているのですが、どうしても頭に聴こえるんです・・・。最近はそうでもないのですが、コピーバンド時代は、皆何故かハマって、特にドラムがハマッていたので、この部分をあわせるのが大変でした。

前のトライアンフとは違った少し重めの8ビートです。EWIのテーマも曲名の通りに気品と優雅さをもったメロディですね。中サビの静かな部分を挟んでサビです。ここもEWIとギターのユニゾン。緻密な感じはトライアンフと一緒です。このサビも良く練られた感じのする完成度をもっています。特にブラスセクションがメロディの合い間を縫って絶妙なタイミングで入っていますね。さらに、ビートがけっこう強いにも関わらず、バックのヴォコーダー風の音のシンセが白玉で綺麗なカウンターメロディを奏でています。
サビをワンコーラス終えた直後のCD Time=1:37からのリズム隊とブラスのユニゾン的なリフは、スーッと通り過ぎてしまう部分なんですが、実はこの部分のリズムは、頭が喰っていたり、3連的な感じがあったりして難しいんです。さり気無くあわせるところがさすがです。

再びイントロに戻ります。CD Time=2:02から入るのドラムの則竹裕之さんのおかずが絶妙です。またその後のCD Time=2:21からのスネアのロールもサプライズで印象深いです。

曲は転調して安藤まさひろさんのソロです。
コード進行がなかなか掴み難い進行なんですが、基本的にはワンスケールで弾き通そうと想えばできなくもない進行です。もちろん、安藤まさひろさんはそんなわけなくて、オルタードやデミニッシュなどの特徴的な響きのするスケールを上手く使用して、ソロ全体の流れを創っています。特にソロの最後の部分、CD Time=2:50からのフレーズはテーマに戻る前のアクセントになっていて肝!です。

エンディグソロは本田雅人さんのEWI。
歯切れ良く流れていくフレーズですが、またここでも『息継ぎしてる?』って言う感じの怒涛の連続フレーズを聴かせてくれます。特にCD Time=4:07から4:22までは良く聴いて見ると本当に切れ目が聴こえないんです。そう言えば、管楽器などを吹きながらも鼻から呼吸をするという技が出来る方がいるようですが・・・。
でも、さり気無く聴いている分には凄いフレーズだ!と想うのですが、集中して聴いていると、聴いているこちらも息苦しく感じてしまいます・・・。
CD Time=4:30からの則竹裕之さんの”しかけ”がいいですね。でも誰もノッてこないところはちょっと寂しい感じですが・・・。

今回改めて聴いて気がついたのは、イントロ部分のコード進行はサビの部分のコード進行をモチーフにしていると言うことです。更に中サビの静かな部分も同じようなコード進行を持っています。非常に計算されていて、アレンジが見事な曲です。
また、メロディも前半は優雅に王族の香りで、サビの部分は激しめの貴族的な香りがします。さらに、安藤まさひろさんのソロは圧巻の出来で、まとまり過ぎていて逆に耳をスルーしてしまう感もあるのですが、音の選択やスケールの選択が丁寧で良く考えられていると想います。トータルで非常に完成度の高い名曲だと想います。

03:ヒストリー
ストリングスのクラシカルな旋律からちょっとベタな感じもするマイナーな8ビートへ。
EWIとギターの旋律が何か哀愁が漂っているメロディでこれは好みが分かれるところ。EWIのテーマはマイナーな中にもメジャーな響きがあってこちらも哀愁漂うメロディ。

ファーストソロは安藤まさひろさん。
スタート直後はスケール練習の様なフーレズを展開しているのですが、それでも只者ではない!ので、CD Time=3:08からの転調した後はスケール練習を飛び越えて、発展させたフレーズを弾き抜きます。

それを受けて本田雅人さんのソロは、1曲目から続いている『息継ぎしてる?フレーズ』がここでも炸裂しています。
ここまで3曲。少し疲れましたのでサックスが聴きたいところなんですが・・・。

04:サニーサイド・クルーズ
この曲はベースの須藤満さんの曲。ベーシストが創ったとは想えないような、軽快で洒落たメロディを持った曲です。
テーマは和泉宏隆さんのピアノが軽快に奏でていきます。そしてサビになり、やっと聴くことができる本田雅人さんのサックスが登場です。

ファーストソロは須藤満さんの軽快なスラップでのソロです。それを受けて和泉宏隆さんのピアノソロ。流れるようなラインとリリカルなフレーズがいいですね。

中サビに戻ってのCD Time=3:14、則竹裕之さんのスネアが付点8分休符遅れて入るところが肝!です。少し曲全体が突っかかったような感じに一瞬なりますが、個人的には何回も聴いていくうちにクセになるフレーズです。

そしてエンディングは本田雅人さんのサックスソロです。
以前にも書いたことがありますが、絶対的に本田雅人さんはサックスの方が良いです。もちろんEWIも上手いのですがサックスの方がより上手いと言うか。
CD Time=4:13の入りの部分の速い3連符から流れるようなフレーズを奏で6連符の上下のラインで繋いで、CD Time=4:19の一瞬のブレイクから細かいタンギングを使用したフレーズへいき、CD Time=4:22の効果的なベンドからフレーズを繋ぎ、CD Time=4:23下降する16分符のラインを3連符で締めて、次のコーラスの頭のCD Time=4:30からのフラジオのロングトーンへ・・・。この流れ凄いと想います!
また、CD Time=4:50では則竹裕之さんがまたスネアをずらします。こちらの方が一瞬拍を失いそうになりますが、先ほどより個人的には肝!です。それにしてもこれをバンドの中でドラマーにやられたらドラマーはニッコリでしょうけど、他のメンバーは焦りますね。この様なかけ引きは大好きです!

05:スプラッシュ!
ブラスがバリバリに入ったファンキーなナンバーです。本田雅人さんの曲なんですが、イントロからいきなりのフラジオでのロングトーンがさらにファンキーさを増大させています。

テーマが終わってからオーケストラヒットやブラスなどでユニゾンをするブリッジ。このバックで則竹裕之さんがソロを奏でます。
CD Time=2:11からのまさに流れるタムまわしは、もの凄い粒揃いで呆気にとられます。

その激しいソロの後は本田雅人さんのソロ。
ソロ頭のフラジオのロングトーン。かなり長く音を延ばしているのですが、
CD Time=2:22からさらに1音半上げて、ロングトーンにアーティキュレーションをつけて吹き抜きます。
その後は低めの音でタンギングを使用した16分音符で同じ音を続けるフレーズをモチーフに展開します。フレーズ的にはテナーやバリトンサックスなどで吹くような感じのフレーズです。本田雅人さんのボキャブラリの多彩さを感じますね。

そして最後のエンディングもフラジオのロングトーン。最後の最後までサックス満載と言う感じの曲です。

06:ランドスケープ
3/4拍子と4/4拍子が混ざり合った変拍子の雰囲気を持った曲です。T-スクェアの曲としてはあまり無い感じの曲ですね。

CD Time=1:52から和泉宏隆さんのピアノソロです。
バックが音を落として、ピアノをピックアップします。高音を中心にしてささやく様なフレーズ。そして綺麗なコード進行にノッて美しいメロディを奏でていきます。
このソロを聴いていて想い出したのが、いつのツアーだったか忘れましたがパット・メセニー・グループのライヴの時に和泉宏隆さんがセンターの前から5~6列目くらいに座っていたことです。この部分まさにライル・メイズさんの様です。そう言えば変拍子と言う曲調もパット・メセニー・グループの十八番ですね。

07:41,バーセニア・ロード
打ち込みの様な雰囲気のあるビートにノッて、ギターと今度はサックスのユニゾンでテーマです。ギターとの部分はややラウドに吹いていてファンキーさを醸しだしていますが、サビの部分では一転して優しいトーンで吹いています。このコントラストが見事ですね。

08:ジ・オータム・オヴ・'75
ピアノから始まるバラード。T-スクェアでバラードと言えば作曲は和泉宏隆さん。安藤まさひろさんのナイロン弦が奏でるテーマが優しいメロディを引き立てます。

サビはハーモニカでの旋律。これはEWIでのサンプリング音だと想います。
確かに曲調としてこの場面でのハーモニカは解りますが、個人的にはしっくりこないんです。その後ハーモニカ音でのソロがありますが、音のみならずフレーズもハーモニカフレーズを奏でています。どうしてもEWIでのハーモニカって違和感があるんですよね。個人的な感覚なんですが・・・。
多分ハーモニカがけっこう好きで、トゥーツ・シールマンスさんやリー・オスカーさんなどを良く聴くので、模倣していると言う意味において違和感があるのだと想いますが・・・。
上手く書けないのですが、例えばライル・メイズさんのハーモニカ音でのソロには、ハーモニカを模倣した感じがなく、むしろ自然。つまりこの音でなければならないと言う必然性を感じるのですが・・・。
曲が良いだけに個人的には残念なんです・・・。

09:プライム・タイム
RESORT(*)に収録されていたオリジナルの本田雅人さんバージョンと言ったら良いでしょうか。
ベースの8分音符のラインに合わせてドラムがハイハットでリズムを刻まないで、タムなどを8分で刻んでいくと言う少し変わったリズムアプローチをしています。
その為か全体的に騒がしい感じがあるのですが、逆にそれが何とも言えないグルーヴを生み出しています。安藤まさひろさんのソロも本田雅人さんのソロもまとまっていて、曲全体を締めている感じです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

この作品は非常にバランスの良い作品だと想います。全体の曲流れなど良く考えて創ってあると言う感じですね。

1曲目はいかにもT-スクェアらしい明るい8ビート。
そして2曲目が複雑なコード進行の中にも優雅な香りのする8ビート。
3曲目が哀愁のあるメロディの8ビート。
ここまでのEWIの怒涛の波状攻撃に疲れたところで
4曲目の爽やかさと軽快さ。そしてアルトサックスの音色。
でも後半の熱いアルトサックスのソロはそのまま5曲目のファンキーな曲へなだれ込み、サックスもフラジオ大会の様相。
サックスに疲れると、今度は再びEWIのテーマで
変拍子の幻想的な雰囲気をもった6曲目へ。
そして打ち込みのムードがある7曲目でワンポイント置いてから
綺麗なバラードの8曲目へ。
一息ついたところで激しいリズムのプライムタイムでエンディング・・・。

先ほども書きましたが、この作品はコピーバンドをしていた為かなり聴きました。それこそ隅々まで、粗まで聴き込んだつもりです。
そして約一年前にもwalkingのお供で聴きました。
そして今回改めて聴いて見て、意外に聴いていたようで聴いていなかった、と言うか気がつかなかった部分があったりして・・・。それでも本当に、純粋に、いい作品だと想いました。

それは、コピーバンドをしていたときの様な、ギターの音のみを追いかけていたり、
自分達のバンドで上手くいかない部分ばかりに耳を集中させていたりする
いわゆる演奏をすると言う観点で聴いていた時期や、
約一年前のwalkingをするためのBGMとして
聴いた時とは全く違う印象でした。

音楽は、その時々の自分の”いろいろなもの”や”ことがら”によって感じ方が違うんだと言うことを、まさに実感しました。
音楽は感じたもの勝ち!
パーソナルな部分に直結する音楽の面白さを肌で感じた次第です。

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曲名リスト
1. トライアンフ
2. クラウン&ローゼズ
3. ヒストリー
4. サニーサイド・クルーズ
5. スプラッシュ!
6. ランドスケープ
7. 41,パーセニア・ロード
8. ジ・オータム・オブ・’75
9. プライム・タイム

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あとがき
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